傷と勲章

私が受けたDVの実録。アメリカで闘って生きた誇り。

傷と勲章#5 マリファナの告白

その後も約束の時間を守られることは基本的になく。
「いつも私が待たされた」という、もはや神田川の世界。

 

映画を見に行く日やレストランの予約があるときなど、当初こそイライラしたり不平を言ったりもしたけれど、その度に「I know!」や「OK!」(どちらも「わかってる!」の意味)と怒鳴られたり「I'm like that person!」(自分はそういう人間なんだよ!)と開き直られたり、また「ショウガナイネ!」とふざけ気味に片言の日本語でへらへらと言われたりするので、それに対しては言及することを止めました。

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またEXは自分でもよく言っていたのだけれど「Emotional person(感情的なタイプの人間」。まあこれはアメリカ人には多い。
怒るときは全力で怒鳴り、逆にうれしいときは飛び上がるだけでなく思いっきり表情にも出して、時には泣きながら喜びを表現する。
感情を表に出すことが比較的が苦手で、奥ゆかしいタイプの日本人にはちょっと面食らう反応だけど、サプライズをしてあげた時にそれだけ喜んでくれると、正直こっちもうれしいしやりがいを感じられます。

 

なので楽しいことが起こったとき、仲良くお酒を飲んでいるときや面白い光景を見た時その他諸々…一緒に盛り上がるときはとてもエキサイティングで大笑い。英語も徐々に上達しているのかな?なんて思うこともできてうれしさ二倍。
好きな人と共にいれば悲しみは半分に、うれしいことは倍に、とはよく言ったもんだなあ、と改めて実感したものです(遠い目)

 

そんなある日EXと一緒にディナーをしていた時。突然衝撃的な告白をされます。

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「Youはマリファナの経験ある?」

 

まりふぁな。
日本人にハードルの高い言葉キタコレ。

 

嘘でもなんでもなく、私は大麻・ドラッグに対する興味は皆無。タバコですら吸わない。
ソレ、日本人は文化的にかなり抵抗あるよ、と伝えると「そうだよね、知ってるよ」と。
(なお2019年現在、嗜好大麻を認めている州はかなり多いですが2014年当時はアメリカでも大っぴらに吸っている人を見かけることほぼなかった)

 

なんでそんなこと聞くの?と尋ねたところ
「自分は幼少期から吸っていて、一時期はかなりAddictな状態だった。
これではまずいと思い、10年ほど前に自分で決めてリハビリ施設に入り、生活を改善した。そのことも前の奥さんとの離婚の理由の1つ(EXがバツイチなのは知っていました)あれ以来全く吸ってないから安心してほしいけど自分の過去を知っておいてもらいたかった」と。

 

しょーげき。
やはり日本人として「マリファナジャンキーだった」と聞いて抵抗はかなりあった。

でも「もうやめて10年になる」ということ、またEXの仕事(セキュリティ)も、職務内容柄過去5年以内に大麻使用の経験が発覚した場合はクビになることなども含め、過去は過去と考えることにしました。
黙っていればわからないのに正直に話してくれた気持ちを誠意と捉え、前向きに向き合おう、と。