傷と勲章

私が受けたDVの実録。アメリカで闘って生きた誇り。

傷と勲章#2 デーティング初期

EXの仕事はセキュリティ。昼過ぎから出社して23時まで働くというシフトが基本でした。なのでEXの仕事終了後、かつ私が翌日休みの日は待ち合わせてディナー(というかもはや夜食)を共にしバイバイをするというスタイルのデートでした。

 

最近日本にも増えてきたようですが、アメリカには「ハッピーアワー」という、夕方早めの時間にオーダーすれば通常よりお得プライスでゲットできるというレストランが多く存在します。

そしてそれとは別に「レイトハッピーアワー」というものもあります。これは、一般的なディナーより遅い時間に行くとお得に楽しめる、というシステムで、夜10時すぎからという時間帯で設定しているお店が多いようです。

 

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EXのスケジュールの都合もあり、私たちもレイトハッピーアワーへ行くように。しかしあまり遅くなるとハワイ唯一の公共機関であるバスがなくなるという懸念があったのですが(当時はUBERもありませんでした)EXより「ベンツで送り迎えできるから大丈夫だ」との申し出。さらに行きつけの美味しい寿司屋があるから連れていきたい、とのこと。

 

愛車のベンツ+行きつけの寿司屋。

さらりと言ったけど、そのワードの組み合わせが「世界的大手企業で働いているし、金には困ってない」という風をにおわせていました。

当時極貧ビザワーカーで、ウサギの残り物のセロリで生きていたためガリガリだった私(笑えるけど実話)から見たら「やっぱり英語が流暢で、どんな会社でも働けるステータスがあるといい仕事にも就けるんだろうな」と、自分と未知の世界へ羨望を抱きました。

 

また同時に、送り迎えをしてくれたり行きつけのお店に連れて行ってくれたり…。

負けん気が強くて性格も目つきもきつく、ともすれば「可愛げがない女」と言われることすらある私。女性として扱ってくれている様子や特別扱いをされている感じは私にとって珍しく、また実際心地よくもありました。

 

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話は変わりますが私は下戸ではありませんが、かと言ってアルコールに強いわけではありません。しかし適度なら気分も盛り上がるので、お酒を飲むという行為自体は嫌いではありません。

EXと付き合っていた時も「アルコールが入れば苦手な英語を率先して話す勇気が出る」といつも思っていました。気が大きくなる、というのとはまた違うけど。店員さんなども慣れたもので、例えグダグダの英語でも「ああ、楽しんでくれているんだな」といった風で私に合わせてくれていました。こういうところはさすが日本人向けサービス業大国ハワイ。

 

まあ今から考えても、果たしてこの頃の「アルコールの力を借りた英会話」が英語上達に結び付いたのかどうかは不明ですが、英語に触れる機会が多くなったのは事実です。

 

しかしだんだんとEXへの疑問点だけでなく問題視される点や態度などが見えてくるようになってくるのです。

 

つづく